注文住宅の悩み。バルコニーはいる?いらない?

新築一戸建て注文住宅を建てるとき、最近では多くのお客様から「バルコニーを作るか作らないか迷っている」という声が出ています。
今日はそんなバルコニーについて、使い方のバリエーションや、バルコニーを作った場合のデメリットなどについて様々なポイントをご紹介していこうと思います。

みなさんこんばんは
エッグ住まいる工房 竹澤貫 と申します。

バルコニーってなに?

バルコニーというのは、建物の2階以上上階の空間から出られる室外の空間のことをさします。よく混同されるのが、ベランダやテラスという名称ですが、実はそれぞれ意味が全く異なります。

バルコニー:建物の2階以上上階の空間から出られる室外の空間で、屋根がないもの
ベランダ:建物の2階以上上階の空間から出られる室外の空間で、屋根があるもの
テラス:建物の1階の空間から出られる室外の空間。庭

このような違いがあり、時々2階LDKから出られるゆったりとしたバルコニーを「テラス」と呼んだりするのは、「本来のテラスのような使い方をするバルコニー、またはベランダ」という意味合いだったりします。

注文住宅でバルコニーを何のために作るの?

そんなバルコニー空間ですが、なぜ多くの場合注文住宅にはこのバルコニーが作られるのでしょうか?ここではこのバルコニーの使い道について紹介していきます。

バルコニーに洗濯物を干す

最も多くの方がイメージするバルコニーの使い方。プライバシーや防犯上の観点からも、最近では庭で洗濯物を干すという考え方が減っているため、この選択肢が最も多い理由。ただし、この後で紹介する「バルコニーを作らない理由」として多くのお客様が考えるのも、この洗濯物が理由だったりします。

バルコニーにエアコンの室外機を設置する

案外失念しがちなのがこの室外機設置のためのバルコニーという考え方。バルコニーがあるおかげで
●エアコンダクトが短くて済む。
●高所作業にならないため設置や交換費用を抑えられる。
●長いダクトを付けなくてよいため、外観がすっきりする。 というメリットがあります。

バルコニーを庭の代わりにする

よくテラスという呼ばれ方をするバルコニー空間。多くの場合2階LDKの時に採用を検討されます。この空間を作るための工夫として、2階リビングとバルコニーを跨がずにフラットに作る工夫はしたい所。
※バルコニーと2階リビングをフラットにする場合別の注意が必要なので詳しくは担当者に必ず確認してください。

2階に大きな窓を設置できる

掃き出し窓と呼ばれる大きな窓を2階に設置するためにバルコニーを作るという考え方。もちろん転落防止の手すりや柵を設置することで、バルコニーを作らず大きな窓を設置するという考え方もありますが、大きな透明の窓を作りバルコニーの壁を高めに作ることでプライバシーを確保しながら光を取りやすくするという考え方などもあります。手すりや柵とは少し違った考え方ができるのがポイントです。

バルコニーいらない派の意見

そんなバルコニーですが、冒頭で触れた通り最近ではこのバルコニーはいらないという声が増えてきています。

バルコニーに洗濯物を干さないから

一番多いのはこれかもしれません。近年ずっとこのバルコニー空間は洗濯物を干す。布団を干す場所として利用されてきていましたが、ここ数年バルコニーで物を干さないという方が増えています。
●花粉症だから
●虫がつくのがイヤだから
●部屋干し+選択乾燥機を使うから
これが主な理由です。お布団は最近干さない方も増えてますしね。

メンテナンスのことが気になるから

この意見も増えてきていて僕たちとしてはとても嬉しい意見であり、またよくご存じで!と驚くところ。メンテナンスのことを考えて建築するのはとても大切です。
ご意見の通りで、バルコニーは多くの場合雨、風、紫外線に常に晒されているため、何のメンテナンスもしないまま20年、30年経過すると雨漏りの大きなリスクとなります。また、一般的に最もよく採用されるFRPは10年に1度はメンテナンスしなければならないと覚えておくことをおすすめします。

防犯のことが気になるから

過去2度この理由でバルコニーを作りたくないと言われた例がありました。防犯の観点で最近はあまり大きい窓を取らなかったり、引き違いの窓ではなく滑り出しというタイプの窓を採用することが増えています。
「もしハシゴとかでバルコニーに入られたらこそこそ自由に部屋に入られる」というご意見を聞いてなるほどと思ったものです。

余談

バルコニーを作るか作らないか?というお話が今日のテーマなわけですが、エリアや建築する建物種類によってはバルコニーを作らなければならない場合があることもお伝えしておきます。それが、防災のため。(一応絶対ではないですが)
万一火災が発生した場合に逃げる場所を作らなければならない。というような事情です。これは3階建て以上の建物を建てる時に必要な要素として覚えておいて頂いてもいいかもです。

バルコニーを作るならメンテナンスの費用と素材を選ぼう

注文住宅でバルコニーを作るか作らないかを選ぶことのできる場合、またそのバルコニーにどんな材料を使うかを選択できる場合は、耐用年数や防水のメンテナンスにどのぐらい費用が必要になるかを把握してから作るか作らないかを検討するようにしましょう。
僕たちがお客様にすすめることが多いのは、屋上を作る場合などにも使われる防水性能の高い【金属防水】というのをおすすめしたりしています。バルコニーの防水にも各種種類があるので把握しておきましょう。

注文住宅にバルコニーを作るか、作らないか

バルコニーという空間は明確にメリット・デメリットがある空間です。これはご家族の住まい方、暮らし方によってあった方がいい場合、なくてもいい場合が分かれるので、担当者と細かく相談した方がいいやつです。あとめっちゃ細かな話ですが、バルコニーには水道付けとくと掃除しやすかったり、寝室の加湿器に水すぐ汲めたりってメリットあったりするので便利だったりします。これは豆知識。
注文住宅ではこうした細かな変更が可能なので、楽しく色んな選択肢を皆さんには選んでいただきたいなと思うところ。ぜひご家族のピッタリを見つけられますように

この記事を書いた人

竹澤 貫
竹澤 貫
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。