上棟式って何?準備するものや歴史を解説
上棟式(じょうとうしき)という単語を聞いても耳馴染みのない方がとても多いのではないでしょうか。以前にブログで解説をした 地鎮祭 に比べると、よりマニアックなイベント。それがこの上棟式。
ここではその上棟式の流れや歴史、そして地方による考え方の差などについて解説していきます。
コンテンツ
上棟式って何?
上棟式って何?な話をする前に、まずはこの「上棟」というものが何なのかについて少し触れてみましょう。
建物には細かく部品一つひとつに名称があります。
そして建物の一番上。屋根のてっぺんにある「棟(むね)」と呼ばれる部品が設置されることを「棟上げ(むねあげ)」または「上棟(じょうとう)」と呼びます。
上棟式というのは、この上棟をお祝いする式のことを指すわけですね。
上棟式って何するの?
古くは平安時代に始まったこの上棟式ですが、以前に解説した地鎮祭と同様にこの上棟式もまた時代の流れの中で随分と姿形を変えてきました。ここでは完全に消えてしまった物を除いて、実際におこなわれる上棟式の日の1日を追いかけてみましょう。
※以下の1日の流れはあくまで一例として書いているものであり、現場状況や会社により大きく下記の予定と異なる場合があります。実際の流れは必ずご自身で担当者に確認して頂けますようよろしくお願いします。
【お施主様がやること】★☆☆☆☆
★1・・・あまり実施するお施主様はいない
3・・・時々実施するお施主様がいる
5・・・ほぼ全てのお施主様が実施する
工事開始の朝[8:30頃]
上棟の当日の朝は既に土台までできていたり、1階部分まで完成したりしている場合もあります。(2日に分けて上棟する場合もあるため)
朝8:30頃から大工たちは現場に集合し、早速工事の準備・作業に入ります。
※現場住所や建築会社により工事開始時刻はバラバラです。8:30は一例として挙げているものです。
【お施主様がやること】★☆☆☆☆
立ち会ってやることは特にありません
一服 休憩[10:00頃]
大工たちの最初の休憩です。
【お施主様がやること】★★☆☆☆
大工の休憩用にお茶や飲み物・簡単につまめる個包装のおやつなどを差し入れする
作業再開[10:30頃]
大工工事の作業を再開します。
【お施主様がやること】★☆☆☆☆
立ち会ってやることは特にありません
お昼休憩[12:00頃]
大工達が昼食休憩を取ります。
【お施主様がやること】★★★☆☆
大工のお昼ご飯として弁当を用意します。『ほっともっと』等の弁当屋で注文しておかれる方が多いです。あらかじめ当日現場にいる人数は建築会社の担当者に聞いておくようにしましょう。
作業再開[13:00頃]
大工工事の作業を再開します。
【お施主様がやること】★☆☆☆☆
立ち会ってやることは特にありません
一服 休憩[15:00頃]
大工たちの休憩です。
【お施主様がやること】★★☆☆☆
大工の休憩用にお茶や飲み物・簡単につまめる個包装のおやつなどを差し入れする
作業終了・上棟式準備[16:00頃]
工事は夕方頃には切り上げ、上棟式の準備に移ります。
大工工事の作業を再開します。
【お施主様がやること】★☆☆☆☆
立ち会ってやることは特にありません
上棟式[16:30頃]
いよいよ本題。上棟式が開会となります。正式な上棟式では神主に来てもらいお参りする形式となりますが、近年では建築会社・大工・そしてお施主様家族で行う形式が主流となっています。
【お施主様がやること】★★★★☆
上棟式では建物の中に祭壇を設え、米・塩・酒をお供えし、お参りをします。多くの場合建築会社の担当者が全体の司会進行をするため、その説明の通りに進めて問題ありません。
基本的な流れは
①祭壇に向かいお参り
二礼二拍手一礼
②四方清祓い
米・塩・酒を建物の四方に鬼門の方角(北東)から順に時計回りに撒く
③一言挨拶をして締める
お礼と解散[17:30頃]
上棟式が無事滞りなく収められたらそのまま解散となります。なお、解散時に当日上棟工事をしてくれた大工に向けて御礼の手土産などを用意される場合もあります。
【お施主様がやること】★★★★☆
上記の『上棟式』を実施する場合はほぼ皆様用意されています。まずはお礼を用意する人数を確認してください。上棟工事の大工は5人や10人規模で作業を行います。その人数に合わせた用意が必要になります。
中身の例
≪ビール6缶ケース≫
+≪ご祝儀≫※棟梁5,000円 他大工各3,000円程が目安とお伝えしています
上棟式の服装や準備するもの
上棟式では服装に特別な決まりはありません。ですが、記念撮影などもあることからフォーマルな服装でいらっしゃるお施主様もおります。「スーツでなければいけない」というものではありませんので、肩の力を抜いてご参加ください。
準備物:式で用意が必要なものは 塩・米 が必要な場合があります。
詳しくは担当者と打合せるようにしてください。
上棟式はやった方がいいの?
最後になりますが、時々頂くこの質問。「上棟式はやった方がいいのか?」ということですが、結論は「どちらでもいい」です。
地鎮祭が神事として行われることに対し、この上棟式というのはどちらかというと近所の人への御礼や大工さんへの労いなど、振る舞い事としての側面が強いイベントです。そのため時代の流れと共にかなり薄れていっているもので、そもそもこの上棟式というイベントの案内自体をしない会社もあったりするぐらいです。
もちろん「初めての新築だからイベント事は記念にやっておきたい」ということなら、建物が立ち上がっていく様が見られるこの上棟はもってこい。本当に圧倒されること請け合いではあります。そんなわけで、必須ではありませんが、お時間の許す限りこの「上棟式」というイベントの事は検討してみて頂きたいなと思うところです。
この記事を書いた人
-
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
最新の投稿
- 住まいづくりについて2024年11月24日1軒家を建てる時に関わる会社の数
- 竹澤貫2024年11月17日キッチンのグレード。キッチンの選び方を解説します
- インテリア2024年11月10日シナ合板の天井仕上げのトリビアと費用感の解説
- 竹澤貫2024年11月3日最近注文住宅でよく見かける流行りの「ヌック」について解説