シナ合板の天井仕上げのトリビアと費用感の解説
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▶シナ合板で柔らかな印象にする
シナ合板という言葉自体決してポピュラーな言葉ではありません。ですが、近年このシナ合板という言葉をSNSで目にしたりお客様の口から耳にしたりすることがしばしば出てきました。
今日はそんなシナ合板を天井に貼付けたお家があるため、少し解説してみようと思います。
みなさん初めまして
茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店
エッグ住まいる工房 竹澤貫 と申します。
▶シナ合板って何?
さて、そもそもこのシナ合板というのが何か?ということ。そちらに先に少し触れておきます。
シナ合板というのは二つの言葉がそのまま合体したもの
シナの木 と 合板(ベニヤ)が合わさったもののことを指します。
合板のベースに薄くスライスされたシナの木を表面に張り付けて完成。
これがシナ合板です。
▶シナノキの特徴
さて、そんなシナノキですが、実は元々木材としては若干出番の少ない超脇役でした。
一般的に主役とされる木には分かりやすい特徴。つまり個性がとてもたくさんあります。
①木目がはっきりしている
②色のグラデーションが鮮やかであり、切り口などによって濃淡が出る
③固く、劣化に強い
④香りが強い
一例ですが、これらの「The木材」と言わんばかりの特徴にいくつか合致しているものこそが、主役の木材とされていました。
例:ヒノキ ①②④に該当、チーク①②③④に該当 など
そんな中シナノキは
①木目があまり出ない
②色の濃淡がほとんどない
③柔らかく、湿気などの影響を受けやすい
④あまり香りは強くない
と、材料の質の問題でなく、「木材っぽくない」んですね。そのためクローゼットの中のベニヤなどあまり目立たない場所で使われることが多い木材でした。
しかし、それゆえに別の視点で注目されるようになったわけです。
▶ナチュラルさを演出できる。けどナチュラル過ぎない。
天井を木の板張りにしたデザインの写真などをご覧になったことがある方もいるのではないでしょうか。天井にアクセントとして板張りなどをするととても存在感があり、「ナチュラルテイストの家にしたい」という方にはうってつけ。とてもオシャレな仕上がりになります。
しかし、デザインの多様化が進むことで「微妙なライン」を目指したい声が生まれ始めます。
「ナチュラルにしたいけどナチュラル過ぎるのはちょっと違う」
100でも0でもない50を目指したいという声
そんな方にこの「木の色は出せるけど主張し過ぎない」というシナ合板はまさにうってつけでした。
こうしてこの丁度いい真ん中の選択肢として活躍することになったわけです。デザインの変遷と歴史ホント面白い。
▶天井の仕上げの選択肢
こうして天井にシナ合板という新たな選択肢が生まれ、大活躍するお話をしましたが、ここで少し天井の素材についてお話しようと思います。
天井の仕上げは主にこの3つのパターン。
➀クロス仕上げ(ビニールクロス、紙クロス)
➁左官仕上げ(珪藻土や漆喰塗り)
③板張り(合板や羽目板)
画像は③の中でもシナ合板を天井に採用した事例です。
クロスや塗り壁とはまた違ったデザイン性を持っているため、空間を上品で落ち着きのある雰囲気にしてくれます。
それでいて素材自体は比較的リーズナブルなため少々のコストアップで実現可能なところも良い点かと思います。
反面、注意点としては表面に汚れがつきやすいこと。なので、もし採用される場合は天井などの汚れが付着しにくいところが良いですね。
▶シナ合板の費用感
こちらはあくまで参考価格についての解説
シナ合板はこうした「天井に貼る木材」カテゴリの中ではかなりリーズナブルな部類で、とてもオススメしやすいです。
貼付け工事込み 1㎡あたりおよそ4000円~5000円程度。
※住宅会社によって単価に差はあるのでご注意下さい。
12帖のリビング・ダイニングでおよそ20㎡。10万円ほど。
よろしければ参考にしてみてください
▶デザインの選択肢
デザインには流行り、廃りがあります。しかし、このシナ合板の天井貼りのように「デザインの解釈が変わる」ことで、元々使われていなかったものが新たな選択肢として生まれることも決して珍しくありません。
その上でよく覚えておきたいのは、こうしたデザインの選択肢について、会社や設計士がどれだけたくさんの引出しを持っているかによって、お住まいの仕上がりは大きく変わるということです。
エッグ住まいる工房のように自由設計で家を作る会社はたくさんありますが、こうしたデザインの引出し部分によって「自由設計」をどこまで広げられるかはとても大事なポイント。
たくさんこだわったマイホームをつくりたい。
もしそうお考えの場合は、お話を聞きに行く住宅会社がどんな引出しを持っているか注目するようにしましょう。
この記事を書いた人
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エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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