将来間仕切りって?子ども部屋の可変性について解説

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1.将来間仕切り。子ども部屋の間取りの選択肢
将来間仕切りという単語を聞いたことがある方も、今では随分多くなっているのではないでしょうか。
注文住宅でマイホームを建てる時、家族構成によりますが多くの場合子ども部屋をどうするかについて家族で話し合いが生まれます。
何帖必要か?
何部屋いるか?
収納はどうするか?
そんな話し合いの延長線上にあるのが、この子ども部屋の将来間仕切りというテーマです。
今日はその将来間仕切りについて、使い勝手や注意点などまとめました。是非参考にしてみてください。
みなさん初めまして。本日ご説明させて頂きます。
茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店 エッグ住まいる工房竹澤貫と申します。
2.将来間仕切りって何?
将来間仕切りというのはコトバを分解するととてもシンプルで
部屋を「将来」子供が大きくなったら2部屋に分割する「間仕切り」を入れる設計方法のこと。
むかしむかしの家では重視されていなかったことですが、ここ10数年来の出来事でしょうか。近年家の間取りを考える際に「可変性」というキーワードがとても重要視されるようになりました。
その理由は主に
①家族構成や暮らし方が長い目で見ていくと変わることから
②生活スタイルの変化に合わせてリフォームして長く使い勝手のいい家にするという考えから
生まれたものです。
3.従来の家の考え方
かつて家の間取りというのはあまり各家庭ごとの個性が出ることはあまりなく、近代のように家族の仕事のスタイルや子どもの教育方針などにより変化することはありませんでした。
対面キッチンにする家もあれば、壁付けキッチンの家もある。
リモートワーク用の個室を作る家もあれば、オープンのワークスペースを作る家もある。
和室のある家もあれば、無い家もある。
こうした仕事、趣味、家族構成などによって家に多様性が生まれたのは近代日本の家への考え方の変化からくるものです。
4.子ども部屋の事前間仕切りと将来間仕切りの例
さて、ここで子ども部屋について少し掘り下げて考えてみましょう。
仮に2部屋欲しい場合に考えることになる次のことについて比較していきます。
➀独立した2つの子ども部屋を計画するパターン
例 4.5帖の子ども部屋を2部屋作る
➁将来間仕切りのパターン
例 新築時は9帖の部屋を作っておいて、将来的に真ん中に間仕切りを設けることで4.5帖ずつ使えるようにしておく
上の画像は➁のパターンの例です。
(将来真ん中で仕切りを設けて部屋を2つに区切るイメージで、扉とクローゼットを2カ所ずつ用意してあります)
さて、ここからは➀と➁それぞれの特徴について考えてみます。
5.子ども部屋の事前間仕切りと将来間仕切りの例
➀独立した2部屋
〇プライバシーを確保しやすい
子どもたちの性別が異なる場合などはより重宝します。完全に別々の部屋として切り離して考えるのではなく、1室は兄弟姉妹の勉強部屋。1室は兄弟姉妹の寝室。という使い分けをするケースもあります。
〇部屋の使い勝手にはあまり困らない
各部屋4.5~6帖程度の部屋として作ることが多いため、余った部屋は一時的に仕事部屋、客間、荷物置きなど、融通の利きやすい広さの部屋としてある程度万能な使い方が可能です。
△使用方法が限定される
各部屋単体で見れば万能な広さですが、現時点で子どもが1人だけで将来もう一人増えるかもしれない。などの場合持て余す可能性があります。
➁将来間仕切り
〇間取りを生活スタイルに合わせられる
新築時には家族みんなの寝室として広く使う。子ども部屋が必要になるころには扉などで間仕切り。子どもが巣立って帰省で帰ってくる際に大きな1室として利用してもらうなど、柔軟さがある。
△間仕切る物によってはプライバシーの確保が難しい
移動式の収納棚や扉などで仕切る場合はすき間が生まれるため音や声が漏れやすいです。
△きちんとした工事で間仕切りする場合費用と手間がかかる
きちんと壁を作る工事をする場合、その周りの片付けが必要になる点や、およそ20万円前後の費用が掛かる点にはきちんと目を向けておく必要があります。
△置き家具などで計画的に整理整頓しないと「広い部屋の一角に雑多に物が積まれている」状態になる
4.5帖×2の9帖スペースがあったとすると、通常生活をするには4.5帖~6帖あれば十分。残りのスペースになんとなく物を固めて置き始めると室内がひどく雑多に見えがちです。
部屋の一角の見える場所に物が雑多に積まれているのはあまりいい環境とは言えません。片付け方にも工夫が必要です。
6.手放しに選ばれる「将来間仕切り」に一旦ストップを
「今はまだわからない将来のために可変できるようにしておくのがいい」
この説明を聞いて、多くの場合この「将来間仕切り」は採用されます。しかし、将来間仕切りにはそれ相応のデメリットもある点を見落としがち。
ご家族ごとに家族構成や状況が異なるので、正解はありません。ですが、皆さんにとって本当にぴったりなのがどんな暮らしなのか?それを一度考えてみてから選んでいただきたいところです。
7.自由設計にできること
私たちエッグ住まいる工房のように、自由設計の注文住宅を建てる会社にとって、この「将来間仕切りにするか?しないか?」ということはどちらを選んでもそれほど設計に難しさはありません。どちらも選択可能なものです。
この2択に対し、一般的に多くの場合「お客様がこっちがいいと言ったから」という一点のみでどちらになるかは決まってしまいがちなもの。
私たちはこうしたリクエスト一つ取っても、「なぜ将来間仕切りをお客様が選んだのか?」について、掘り下げてお客様と打合せをしていきます。その重要性をぜひ知って頂いた上で、皆さんには欲しい家を建てるのではなく、欲しい暮らしを手に入れていただきたいなと考えています。
その他にも自由設計の考え方についてお話していますので、是非そちらもご覧ください。
自由設計の他の考え方についてはこちら
この記事を書いた人

竹澤 貫 TAKEZAWA KAN
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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