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職人不足の中でも脈々と続くもの「技」/茨木市/自然素材/リノベーション/エッグ住まいる工房

茨木市でリノベーションを手がけるエッグ住まいる工房です。

あらゆる業界で職人不足が取り沙汰されています。私たち建築業界も職人さんがいなければ成り立ちません。そんな中、ある屋根瓦の職人さんとの話を紹介します。

職人さんによると最近の仕事の印象は「新築が減った」ということ。これは実は当然なのですね。2023年の新築着工件数は約80万戸。2000年の時には約123万戸あったのが40%以上ダウンしているわけです。職人さんこそ肌で体感しているのだと思います。そしてもう一つ「板金」がとても増えたということ。板金屋根というとみなさんにはわかりにくいかもしれません。流行りなのはガルバリウム鋼板と呼ばれる金属屋根のことを指します。印象的には8割が板金だと。

コストパフォーマンスの高い屋根補修「カバー工法」

確かに、古いスレート屋根の上にそのまま施工できるというカバー工法はガルバリウム鋼板の特徴です。葺き替える必要がないので比較的安価なのと、ガルバはそこそこ丈夫で長持ちするのでコストパフォーマンスも良し。増えて当然です。

 しかし実はこの屋根職人さんは瓦のプロ、なのです。瓦を葺くことが本来の仕事。そして瓦を葺ける職人さんは現在とても減少しています。瓦は実はとても優れた建材で、長持ちですし、適度な重さがある瓦は構造さえしっかりしていれば、風対策にもなります。台風などで屋根が飛ばされるという心配も少なくなります。

瓦を葺く、という技

一般の方々が職人の技の伝承に関して義務を負う必要はないと思います。しかし私たち「住」を仕事とする者は、技術の承継を考えないと、将来に住環境の創造を残すことができません。住文化が衰退するからです。

 今が良ければよい、と思う人もいるでしょう。しかし「住まいづくりでスマイルづくり」を理念とするエッグ住まいる工房です。この職人の技をどうやって承継していくか、ということは身にしみる話でした。

 淡路島出身で、お父さんから代替わりで瓦職人になったそうです。賞を取るほどの強者。新築がないからこそ、瓦屋根の改修工事など、現況の意匠性を大切にするリノベーションでぜひ活躍して欲しいと願います。