自然素材の家がぴったりな人と、オススメできない人

1.自然素材の家 は流行り廃りなくずっと注目されている

自然素材の家 というのは今ではあまり珍しいキーワードではなく、Instagramで #自然素材の家 や #自然素材の家づくり などのハッシュタグの使われた回数はおよそ100万回
#全館空調 が使われた回数が16万回。#間取り でも82万回なことからも、この自然素材というキーワードが相当注目されていることはお分かりいただけそうなものです。

2.自然素材の家の向き不向き

僕たちエッグ住まいる工房は、例に漏れずこの自然素材の家をたくさん建ててきた工務店。初めてお問い合わせをされる段階で

「自然素材の家に興味がある」

とご連絡いただく事もしばしば。
しかしいざお客様とお話し始めると、自然素材の家にどんなメリットがあるのか?デメリットは何なのか?をご存じの方は多くありません。

今日はそんな自然素材の家にあまり向いていない人と、ぴったりでオススメな人をそれぞれご紹介してみようと思います。

遅ればせながら皆様初めまして
僕は茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店
エッグ住まいる工房の竹澤貫 と申します。

3.自然素材の家って何?

そもそもこの「自然素材の家」というのも実はあいまいな表現なので、少し解説してからスタートしましょう。
自然素材というのは概ね皆さんの想像通り。食材でいう「オーガニック」にあたるもののことを指しています。これが家の話に置き換わると、広い意味では「化学薬品がほとんど使われていない素材で作る家のこと」を指します。
化学薬品がほとんど使われていない素材の代表的なものが無垢のフローリング。これは1本の木を切って加工されたものであり、自然素材に該当します。そして、ビニール製のクッションフロアや木目のシートが表面に貼られているフローリングなどはその反対の素材。自然素材ではない人工的なものとして建築業界に関わる人たちはこれを新建材(しんけんざい)と呼んでいます。

4.いろいろな自然素材

 ⅰ.床:無垢のフローリング

木をそのままカットして作られた床材。木の種類によって見た目、特徴、値段が全くバラバラな点に要注意。実物を見て、肌で触れて、きちんと説明を聞いてから比較検討するようにしましょう。

 ⅱ.壁:漆喰、珪藻土、薩摩中霧島壁など

石灰や植物性プランクトンの死骸、シラスなど自然由来の素材を加工した塗り壁。珪藻土や一部の漆喰には、接着剤が含有しているため、細かい話をすると自然素材じゃないものもあります。

 ⅲ.断熱材:セルロースファイバー、サーモウールなど

古紙や羊毛などが原材料。建物完成後はフタをされていて目に見えない部分なため化学薬品が使われていないことは皆さんにあまり関係ないかもしれませんが、万一火災が起こったときのため、工事をする職人のため、そして地球のために自然素材であることを求める方もいらっしゃいます。


ここでは家で使われる自然素材についてごく一部を紹介しました。
ただし、自然素材の家というのはこうした素材が全て使われている家というわけではありません。
無垢のフローリングだけを使っている工務店。
漆喰の壁をリビングだけ使っている工務店。
断熱材まで自然素材にこだわっている工務店。
これら全てが「自然素材で家を建てる工務店」になります。

エッグ住まいる工房がお客様に推奨することが多い自然素材について詳しく知りたい方はこちらから

5.自然素材の家がぴったりな人

自然素材の家がぴったりな人の説明をするために、これまでに自然素材が選ばれた理由を3つ解説していきます。このうちのどれかに当てはまる、または複数当てはまる方というのは、間違いなく自然素材の家がぴったりな人です。

 ⅰ.見た目や素材の質感、空気感が好き

木の木目が好き。木の肌触りが好き。塗り壁の凹凸が生み出す陰影が好き。

自然素材の家が持つ澄んだ空気が好き。

本物の素材が見せてくれる特有の素材感に惚れこんでいる方は大勢います。家をはだしで歩きたい方なんかもぴったりかもしれませんね。

 ⅱ.アレルギーを持つ家族がいて健康のことを考えたい

家族の健康のために自然素材の家を建てたいという声も。自然素材の家を建てると大きく3つの効果に期待できます。

①使われている化学薬品が少ないため、化学物質過敏症などのアレルギー症状の発生を抑える効果があります。
②塗り壁を採用した場合、空気中に舞うホコリやハウスダストが壁に付着しずらく床に落ちやすくなるため、ぜんそくなどのアレルギー症状の発生を抑える効果があります。
③塗り壁や無垢フローリングを採用した場合、室内の湿度を調湿してくれるため、乾燥による健康被害や、多湿によるカビの発生を抑制してくれるようになります。

気を付けなければならないのは、これらについてはほんの少し自然素材を使っただけの家では得られないメリットだということ。特に①の場合は相当注意して打合せをする必要があります。あまり過敏でない方であっても、新築工事に使われる化学薬品の影響で頭痛やめまいを起こしてしまうシックハウス症候群という症状は国も大きく問題視しており、薬品の含有量を制限する法律は2003年に制定され、そして2025年の今なお厚生労働省ではシックハウス症候群について討論を続けています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_128714.html

 ⅲ.メンテナンスの費用が抑えられる家にしたい

「一切全くメンテナンスの必要がない家」というのはあまり現実的ではありません。どんな物でも何らかのメンテナンスは必要になります。ですが、メンテナンスの費用が抑えられる家 というのは実現可能です。

例えばフローリング
無垢のフローリング、合板の新建材のフローリングどちらも年数が建つとキズや色の変化が見られるようになってきます。しかし、色褪せて劣化する合板の新建材のフローリングに比べ、無垢のフローリングは色が濃くなり深みを増します。
家全体のフローリングを張り替えるとおよそ100万円もの費用がかかることを考えると、張り替えなくても長く使えるものを選ぶというのが理想です。
また、無垢のフローリングにはサンディングという表面を削り取るというメンテナンス方法があります。これは張替えに比べメンテナンスの費用が安く済む点も覚えておきたいポイント。

素材そのものが劣化せず変化するのはこの自然素材の大きなメリットと言えるでしょう。

6.自然素材の家に向いてない人

自然素材の家の特徴やメリットについてお話してきましたが、この自然素材の家は全ての人にオススメできるものではありません。明確にいくつかのデメリットがあります。
「私はこれに当てはまる」という方にはちょっとオススメしにくかったりするので、是非目を通してみてください。

 ⅰ.事情があってすぐに引越しをしたい人

注文住宅の計画をする際にどんな家でも必ず「設計期間」と「工事期間」があります。間取りを決めたり、キッチンを選んだり、床を比べたり。これが設計期間。そして決めたものが現場で組み上がっていく。これが工事期間。
自然素材の家を建てる時は打合せ期間、工事期間そのどちらもが自然素材じゃない家に比べ長くなる傾向にあります。
例えば無垢のフローリングは ①樹種 ②木の幅 ③節の多さ によって商品が変わり、値段が変わります。おなじヒノキの床でも②③が違えば全く別のものになる。だからそれも含めて比較をすると考える時間が長くなります。
工事期間は塗り壁などを選んだ場合特に影響が出やすくなります。ビニールクロスを貼るのに比べ時間がかかるうえ、乾燥期間などは天候などにも左右されます。

エッグ住まいる工房の場合推奨する目安期間は、「設計期間」と「工事期間」を合わせておよそ1年

エッグ住まいる工房で契約をしてから約1年後が入居できる目安くらい。と思っておいていただくようにしています。

 ⅱ.床や壁のヒビやはみ出し、色のムラが気になってしまう人

自然素材の家で使われる材料は、文字通り自然由来の物です。そのため、材料そのものに小さなヒビが入っていたり、工事の都合上塗り壁が少しはみ出したりするようなことは決して珍しくありません。
もちろん全てのものに対して「自然素材だから仕方ない」と片付けるつもりはありませんが、どうしてもお客様には許容して頂かなければならないシーンもあります。
自然素材を長くたくさん取り扱っている経験ある工務店なら、こうした説明を事前にするためあまり心配することではなくなりますが、説明を受けず引渡しを受けると、「こんな見た目になると思っていなかった」というようなトラブルの原因になります。
しっかりと説明を受けるようにしてください。

 ⅲ.イニシャルコストをできるだけ抑えたい人

無垢のフローリング、漆喰の壁、セルロースファイバー断熱材、外壁のそとん壁。
エッグ住まいる工房でお客様によく採用されるこれらの自然素材ですが、床や壁には、合板のフローリング、ビニールクロスの壁、グラスウール断熱材、外壁のサイディングなどの「もっと安い自然素材じゃない材料」があります。
これまでに自然素材の家を選ばれたお客様は、皆さんそれらと比較して費用対効果を考えた上で選んできたわけですが、「何よりもイニシャルコストを抑えたい」という方にとっては、自然素材は負担になります。

例えば30坪の家で、全部の部屋がビニールクロスの場合と漆喰塗りの場合、差額は100万円を越えます。

見た目や質感の好みと天秤にかける。
健康配慮の面で天秤にかける。
メンテナンスコストと天秤にかける。

何を優先して、どんな暮らしをしたいかを考えて、素材選択することが必要です。

7.自然素材のメリットとデメリット

自然素材に限らずどんな素材にもメリットとデメリットは必ずあります。そして、そのメリットとデメリットを理解してもらった上で、「私たちにとって本当に欲しいものって何なんだろう?」を掘り下げて欲しいと考えています。

毎日のように自然素材と触れ合う私たちエッグ住まいる工房は、その魅力はもちろんのこと、気を付けなければならない取り扱い方法もよく理解しています。そのため、無責任に「いいモノですよ」とお客様に勧めることはありません。

ご来場のお客様には実物をご覧いただきながら説明しますので、興味を持って下さったかたはお問い合わせしてみてください。メールやInstagramからのご質問も喜んで承ります。

また、今は資料請求をして下さった方に「無垢フローリングと合板フローリングを比較するカットサンプル」をお贈りしています。この機会にぜひ見比べてみてください。

資料請求はこちら

この記事を書いた人

竹澤 貫
竹澤 貫
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。