注文住宅を新築するときどこまでDIYできるのか
注文住宅でDIYを取り入れるという発想は多くの方の頭をほんの少しかすめます。
そもそものDIYという言葉。
これはDo it yourself.を略した言葉で、直訳すると「自分自身でやる」という意味。今ではとても身近なこのDIYというキーワードですが、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
難しそう
楽しそう
やってみると案外簡単
結局お金がかかりそう
今日はそんなDIYについて、その歴史や実際に注文住宅にDIYを取り入れる際の考え方についてお話して参ります。本日お届けいたしますはわたくし、エッグ住まいる工房 竹澤貫と申します。どうぞよろしくお願いします。
コンテンツ
DIYの歴史を振り返ってみる
さて、早速このDIYという言葉ですが、皆さんなんとなく「結構最近使われるようになった言葉」な気はしませんか。かくいう私こそそんな感想でして、そんなに古い言葉な印象がなかったりしました。
しかし驚くことにDIYという言葉の起源は1940年代。かつて空襲を受けたロンドン市民たちが、「誰か任せじゃなくて自分たちの力で復興しよう!」と奮起し建物の修繕や改修をすることで始まった取り組み、考え方こそが、このDIYという言葉の始まりだったそうです。
少し意味が変化したことば『DIY』
そんな古い歴史をもつDIYですが、この歴史上の言葉と私たちの考えるDIYの認識は少し違うような気がしませんか。というのも、私たちが考えるDIYに当てはまるもののイメージはおそらく
—当てはまる—
・イヤリングなどのアクセサリー雑貨を自分で作る
・家具などのインテリアを自分で作る
・既製品の商品を自分で取り付ける
であり、
—あまりDIYと呼ばれない—
・アクセサリー雑貨のチェーンがちぎれたものを自分で繋ぎなおす
・家具の傷を目立たないように自分でリペアする
こういった「修理・修繕」に当てはまるものはあまりDIYと呼ばれていない傾向にあるのではないでしょうか。
今のDIYが生まれた頃、そしてDIYブーム
こうしてDIYという言葉は少しばかり形を変えて、今の私たちの身近に再登場したわけですが、その始まりは2010年頃に起こったDIYブームがスタートのようです。その火付けの背景として最も大きい影響があったのが何か。それは、家具やインテリアを素人の女性が作るということを指す言葉「DIY女子」という言葉がまぎれもない大きな要因だったと言われています。
かつて「日曜大工」という休日に男性がトンカントンカン椅子や机を作ったりする言葉があったものが、言葉が「DIY」に生まれ変わり、そして女性もそのインテリア製作をするというイメージから、急にとてもオシャレなものへと変貌を遂げました。その後100円ショップやホームセンターは数々のDIY関連商品を並べ始め、いつしか日本中で「DIY」という言葉が定着するようになったのです。
注文住宅とDIY
さて、ここまでDIYの歴史について少し紐解いてみたわけですが、いざ実践!となると今までDIYと呼べるものをしたことがない方も大勢いるのではないでしょうか。
注文住宅を建てる時にもこのDIYはキーワードとしてよく出てくるもので、新たなマイホームのどこか一部を
・思い出作りのため ・モノづくりが好きで ・コストを抑えるため
といった理由でDIYの選択肢が話題に出ることはしばしばあります。ここからは過去にお客様とのDIYトークで出てきたことのあるキーワードについてご紹介してみます。
注文住宅でできるDIYについて
庭をDIYする
難しさ:★ プロとのクオリティの差:中
最もお客様の選択肢に上がりやすいのが庭、つまり外構工事のDIY。
基本的にホームセンターや造園屋さんで石や土、草花や樹木を購入したものを並べて植えるだけでコストを抑えながら結構見栄えが良くなるため手を出しやすい。
また、庭のDIYをするための特別な専門工具というのがあまりなくても
「持っていれば選択肢が増えるが、無いなら無いなりの選択肢もある」というのがポイントであり、敷居を下げてくれている要因。
▲注意点▲
・樹木に対するある程度の下調べをしないと簡単に枯らしてしまう恐れがある。
・ゲートや枕木などの外構用品を取り入れるためには工具がある程度必要。
・コンクリート土間などもDIYでできるが、職人作業の仕上がりと目に見えて差が出る。
棚や鏡などを取り付けする
難しさ:★★ プロとのクオリティの差:少
続いてご相談が多い「棚や鏡、トイレのペーパーホルダーを自分でつけたい」というDIY。
基本的にはAmazonや楽天・ホームセンターなどで購入できる既製品を購入し、ただ取り付けるだけのため最もクオリティの差が出ない。ぶっちゃけだれでもできる。
少しだけ難しさを上げた理由は以下の注意点。ちょっとやってみたいなぁという方にはとてもオススメなので一度検討してみて欲しい。
▲注意点▲
・「下地」というビスがきちんと刺さる板が壁に入っていないと簡単にもげる。歪む。必ず建築会社に事前に話をしておくこと。
・特殊な工具が無くてもやれなくはないが、手でぐりぐりと穴をあけたりビスを止めたりするのは中々大変。できればインパクトドライバー、水平器、マスキングテープあたりは揃えておきたいところ。
・家の壁に穴をブチ開けることになるため、ワンミスでリカバリー不可になる場合がある。(間違えて開けた穴はふさげるが、ふさいだ跡が目立つ場合がある)
壁にタイルや板を張る
難しさ:★★★ クオリティの差:少
鏡や棚の取付と似ていて、購入した材料を貼るだけではある。こだわりの可愛いタイルとかと出会えたなら選択肢に入るDIY。
▲注意点▲
・棚の取付とよく似ているため、上記注意点に記載しているものは全て当てはまる。
・より難しくなる点は、貼る範囲に合わせた微調整が必要になるため、タイルの枚数を調整したり、板をカットして調整したりする必要がある点。
家具を作る
難しさ:★★★★ クオリティの差:大
ここからはもはや 物作りが好き な方でないとたどり着けないゾーン。
「既製品だと大きさ、色、形が微妙にぴったり好みにならないから自分で作る。」という職人の血が流れている方からしか生まれないであろう発想の持ち主。もし頭ではそう思ってもいざ作ろう!とはならないという方は、ぜひ一度挑戦してみて欲しい。
▲注意点▲
・あんまりピカピカピッシリ上手な仕上がりにはならなくても「味があって可愛い」と愛して楽しむメンタルが必要
・工具類やクオリティの差は言わずもがな
漆喰で壁を塗る
難しさ:★★★★★ クオリティの差:特大
今回用意したDIYシリーズの中ではラスボス。大変多くの方から「できなくは無さそう」というイメージを持たれがちなDIY。そして、「こんなに難しいと思わなかった」という声が聞こえるDIY。エッグ住まいる工房では漆喰壁の採用率がとても高いためご紹介。
▲注意点▲
・専用の道具というよりは事前準備が多く、
①材料準備 ②現場が汚れないように養生 ③1度塗り ④1日おいて ⑤2度目仕上げ塗り が必要。
・左官(さかん)というコテで壁に材料を塗り付けるアクションが見た目と裏腹にめちゃくちゃ難しく、塗れるっちゃ塗れるけど職人との仕上がりの差にあぜんとする。
注文住宅でできるDIYについて
いかがでしたでしょうか。これから家をお考えの皆様で、DIYにちょっと興味あるんだよなぁという方は、まずは住宅会社に相談してみるようにしてください。
DIYによるチャレンジに対してしっかりめにバックアップしてくれるハウスメーカーや工務店もあれば、DIYをあまり肯定的にとらえていない住宅会社もあります。何のためにDIYをしたいのか。どんなDIYをしたいのか。そのためにどんな準備が必要か。よろしければ一度検討してみてください。
この記事を書いた人
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エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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