対面キッチンのカウンターや造作収納。対面キッチンの応用編

対面キッチンは今やとても身近な存在で、近年賃貸マンションやアパート、建売の分譲住宅のような場所ではほとんどの場合採用されるタイプのキッチンです。
今日はこの対面キッチンについて少し詳しくなってみようというテーマです。キッチンのことでお悩みの方の参考になれば幸いです。


色んなキッチンについて幅広く見たい方はこちらへどうぞ

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キッチンの流行りと歴史

今圧倒的に採用数が多い対面キッチンですが、なぜこのタイプのキッチンが多くなったのでしょうか。
キッチンはもともと「台所」という名称で、一個の独立したお部屋だったことが始まりです。その後住宅への考え方は変化し、
「居間」(リビング)と「食堂」(ダイニング)と「台所」(キッチン)
「居間」(リビング)と「台所 兼 食堂」(ダイニングキッチン)になり
廊下を減らすことで居住空間を広げる考え方からリビングダイニングキッチン。つまり、LDKという一つの空間にまとめられるようになりました。こうして1つの部屋にまとまることで、従来多かった「壁付けキッチン」は使い勝手等の問題で減っていくことになります。

壁付けキッチンが無くなっていった

LDKという1つの部屋にまとまることで居住空間は見るからに広がるようになりました。しかし、そこで従来の壁付けキッチンをそのまま使うと色々な不都合が生まれるようになりました。

▶食器棚(カップボード)を置く場所がない。

▶キッチンがリビングダイニング側から丸見えになってしまう

▶作業をしているときに子どもやペット、家族の様子が見えない

こうしたデメリットの部分から、キッチンを対面化し、壁側に食器棚を設置することでバランスよく部屋を統合することに成功したわけです。

対面キッチンのメリット・デメリット

一般的だった壁付けキッチンは対面キッチンへ姿を変えていきました。この対面キッチンのメリットについては過去同じお話をしていますが
【メリット】
◎採用例が多いためSNSなどの情報収集がしやすい
◎採用例が多く量産しているため、メーカーが安価で販売している
◎壁側に食器棚を設置することで、面積上ロスの少ない間取りを作りやすい
◎オープンな見た目を作ることが出来るため、LDK全体が広く感じやすくなる
【デメリット】
△気に入った面材を選んでも、キッチン側からしか見えない
△対面側にカウンターや収納を付ける場合コストが大きく変わる

こうした点が挙げられます。

対面キッチンの応用

それではここからは「デメリット」にも記載している対面側のカスタマイズについていくつかご紹介します。

◎腰壁+笠木(こしかべ+かさぎ)

対面キッチン

全く特別なことをしていないスタンダードな対面キッチンの仕様。ダイニングテーブルをこの壁にくっつけて使うケースが多い。壁側に「ニッチ」と呼ばれる凹みを作ることで小物を飾ったり、調味料置きを作ったりする場合もある。

追加費用 / ★☆☆☆☆
追加の費用がかからない場合が多い。
※ニッチは別。1ヶ所あたり1万~3万程かかる場合が多い

◎カウンター(配膳・バーカウンター・飾り用途)

対面キッチン・上カウンター

壁の一番上の部分にカウンターを付ける作り。高さが高く、一般的なダイニングテーブルの70cmほどの高さに対し、調節は可能なのものおよそ1m程の高さとなるため、食事やこどもの勉強・ワークスペースのような使い方には不向き。ただし料理作業スペースの拡張や配膳にはとても向いている。

追加費用/★★★☆☆
主にカウンター材の費用がかかる。カウンター材に選ぶ木、幅や奥行きといった大きさによって金額は大きくことなるが、量産されたカウンター材でおよそ5万~10万。無垢の一枚板の場合15万~は予算を見ておきたい。

◎カウンター(食事、子どもの宿題などのワークスペース)

対面キッチン・中カウンター

壁に突き刺さったような高さに設置するカウンター。多くの場合ダイニングテーブルの高さ程度で設置し、そのまま食事する用にしたり、食事はダイニング、宿題はカウンターなど使い分けすることでダイニングテーブルを常にすっきりさせる用途などで使われる。ただし、キッチン側からはそのカウンターに直接配膳するなどがかなりしにくいため要注意。

追加費用/★★★☆☆
上記カウンター造作と費用は変わらない

◎インテリア造作

対面キッチン・造作

対面側からのデザインのために行うカスタマイズ。使い勝手は変わらない。この壁面に他の壁で使う物とは違うデザインのビニールクロスを貼ることでアクセントウォールにする手法はかなりポピュラーで、多くのハウスメーカーで提案されている。ここでご覧いただいた写真は、モールテックスというコンクリート塗りのような塗装をしたりしているものをご紹介。他にも板張りなど素材感を出すととてもオシャレに見える。


追加費用/★☆☆☆☆~★★★★☆
ビニールクロスのアクセントには費用がかからない場合が多い。しかし、板張りや塗装仕上げなどをする場合、範囲が広いため15万前後程度かかることを想定したい。

◎収納造作

収納

キッチンの対面側から使うことのできる収納を作るカスタム。収納造作にも2種類あり、対面側に 造作で収納を作る場合 と 既製品のキャビネットを据え付けて繋げる方法 がある。当たり前ではあるが、その収納の物を出し入れする動線を考えてダイニングテーブルを配置しなければならない。実質的にカウンター(配膳仕様)の用途も兼ねている場合が多い。収納の厚みが最低でも30cm程度は生まれるため、ダイニング側が圧迫感を感じないような広さや工夫がされているようにしておきたい。

追加費用/★★★★★
およそ30万円程の予算は想定しておきたい。造作の場合は材料の種類などでも多少増減することにも要注意。そして、費用が大きく変わる要素に扉付きか扉無しかという点がある。扉付きの造作はここからさらに10万円前後は増えるかもしれないと考えて担当者に相談して欲しい。

色んな対面キッチン

壁付けキッチンやアイランドキッチンには出来ないカスタマイズもまた魅力のこの対面キッチン。色々なカスタマイズ参考にして頂けましたでしょうか。
ざっくりのイメージでも掴んで頂くために予算感は書かせて頂きましたが、・会社によって・物価によって・リクエストによって大きく金額が変わる可能性があります。ご検討の皆様は必ず担当者に作りたい物のイメージを伝えるようにして下さい。

私たちのお住まいの作り方

私たちエッグ住まいる工房では、「作りたい物のイメージ」より、「どんな使い方をしたいかのイメージ」をヒヤリングするようにすることの方が多いです。カウンターが欲しいと言われてそのままつけるのではなく、本当に必要か、希望している通りのカウンターでいいのか。それをイメージできるのがプロのお仕事です。
今お打合せ中の皆様は是非ご相談ください。お問い合わせお待ちしております。

この記事を書いた人

竹澤 貫
竹澤 貫
エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。