地鎮祭ってやった方がいいの? 歴史・費用・流れまで解説
地鎮祭という祭事を皆さんご存じでしょうか?
名前だけは聞いたことがある方もいれば、参列した経験がある方もいらっしゃるかもしれません。そんな地鎮祭というイベント事について、どんなものなのか。どんな準備が必要なのか。少し一緒にお勉強してみましょう。
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目次
地鎮祭って何?
地鎮祭(じちんさい)というのは、建築工事が始まる際にその土地に住む神様を祝い、鎮め、そしてその土地を使わせて頂くお願いをするために行う儀式のこと。
古くはおおよそ1000年程も前から行われている儀式で、この「建築工事が始まる際に行う」という通例が定着したのは江戸時代からと言われています。これは古来より日本で信仰されてきた「万物に神が宿る」という考えに由来するもので、八百万の神々と言われているものの一つの例と言えるかもしれません。土地を掘ること、木を切ること、石を加工すること。建物の建築には多くの自然物が関わっています。そのため、予期せぬ事故が起こることをそうした神々の怒り、祟りとして畏れ慎むことから、鎮める儀式が生まれたのだと言えそうです。
地鎮祭でやること
地鎮祭はこの1000年の時の中で少しずつ形を変え、現代では大きく2種類の方法が取られるようになりました。それが【正式】と【略式】です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
正式地鎮祭
古くからの伝統的な地鎮祭の様式。建築予定の土地に神社から神主を招いてお参りして頂く形式。まずは全体の流れを見ていきましょう。
1⃣ 建築会社に確認する
正式な地鎮祭をしたい場合、まずは建築会社にその旨伝えて手順を確認するようにしてください。建築会社側で懇意にしている神社を紹介されて手配される場合と、自分で神社を決めて自分で手配の依頼をする場合に分かれます。なお、自分たちで手配することになる場合、地鎮祭には建築会社の担当者さんにも来てもらう必要があります。いつやるか?は先に相談して決めておきましょう。
2⃣ 神社に問合せをして用意するものを聞く
自分で神社に依頼をする場合は、自分たちが準備するもの 建築会社に準備してもらうもの の2種類の準備物について説明を受けます。建築会社に準備してもらうもの を伝え忘れないように気を付けましょう。
一般的には
【自分たち】・初穂料※お金 値段も教えてくれます。
3万円~5万円程度かかる場合が多いです。
【建築会社】・竹 ・砂 ・テント 他 1万円~3万円程度かかる場合が多いです。
あたりが準備するものになりますが、神社によって本当にバラバラなので要注意です。
3⃣ 当日の服装など
原則特にドレスコードは無い場合が多いですが、折角の祭事であり、記念撮影もすることが多いので少しフォーマルな恰好が望ましいかもしれません。自分たち家族のみでなく、ご両親やご親戚を招待する場合もあるため、その場合はあらかじめ相談しておくようにしましょう。
4⃣ 当日の流れ
神主が全体の進行をしてくださいますので、説明を良く聞くようにしてください。例えば玉串奉奠(タマグシホウテン)の儀では祭壇の前に立ちお参りすることとなりますが、「2礼2拍手1礼」の作法でお参りする形式もあれば、「2礼4拍手1礼」でお参りを行う出雲式の場合もあります。要注意
5⃣ 閉式・記念撮影・初穂料の御収め
「以上で〇〇様邸地鎮祭をめでたく取り納めます。」の神主の挨拶をもって閉式となります。その後記念撮影。そして、初穂料の御収めとなります。シンプルに「今日はありがとうございました。」の御礼と共に収められるといいと思います。
略式地鎮祭
近年増えている地鎮祭の様式。また、正式・略式の割合として、地方では正式が多く都市部では略式が多い傾向もあり地域差もあります。正式と異なり、神主を呼ばず自分たちだけ、または自分たちと建築会社のみで行う形式となります。
1⃣ 建築会社に確認する
確認のプロセスは正式同様必ず行うようにしましょう。また、略式地鎮祭は正しい作法を省略して行うため、建築会社によって説明もバラバラです。建築工事を依頼している会社との打合せは必須です。
2⃣ 準備物の確認と、どこまでやるか相談しましょう
【多】・テント ・竹 ・砂 ・しめ縄
【中】・おふだ ・鎮め物
【少】・酒 ・塩 ・米 ・祭壇にするテーブル
最も簡略化した形式の場合は【少】の準備物のみ。現地にてお参りをし、土地の四隅に酒、塩、米をまいてお清めをします。
もう少し正式に寄せると【中】+【少】の準備物。こちらの場合事前に神社に出向いて「地鎮祭をしたいのでおふだと鎮め物を頂けますか」と依頼するとその場で簡単なお参りをして下さり、おふだ、鎮め物を頂戴することができます。それを当日現地に持っていきます。
最後に準備物【多】【中】【少】を全て。これは神主がいない以外はほとんど正式に近い形の地鎮祭。テントなどの準備は建築会社にお金を払ってお願いすることになる場合が多いので、その費用はまた確認しておかなければいけません。
3⃣ 略式地鎮祭を実際にやる
① 祭壇を模したテーブルを設置。そこに酒・塩・米を置いてお参りをします。祭壇に向かって2礼・2拍手・1礼でお参りください。お参りする向きは原則北向きか西向きでやるようにしましょう。(※祭壇が南向きか東向きになるように)
② お参りが済んだら祭壇の酒・塩・米を持って土地の四隅に移動し、それぞれ撒きます。北東の角(鬼門)が最初。そこからは時計回りに撒いて回ります。ちなみに酒・塩・米を撒く順番は正確な順序は無いそうですので気にしなくて大丈夫です。
③全て撒き終わったら終了。
といった流れ。建築会社さんが一緒の場合はこのあたり説明しながらやってくれると思うのでお任せして大丈夫です。↑の①②③はあくまで自分たちやる時用のメモと思ってください。
費用だけまとめ
■正式■
神社:3万円~5万円
建築会社:1万5千円~3万円
計:4万5千円~8万円
■略式■
神社:0円 か 1万5千円~3万円
建築会社:0円 か 1万5千円~3万円
自分で買うお酒:2千円程
計:2千円~6万2千円
地鎮祭やった方がいいの?
さて、ここまで地鎮祭の歴史や実際の流れについて説明してきましたが、そもそもお客様から質問頂くことが多いのが、「地鎮祭ってやった方がいいんですか?」というご質問。
特別お参りする習慣や信仰などがない場合、こういった祭事を「やるのが当たり前」ではなくなっているのが現代の実情ではあります。そんな中、明確に『地鎮祭やった場合のデメリット』が1つだけあります。
お金がかかる ということ
それに対し、地鎮祭をやることで得るものが何かというお話です。
結論から言うとこれは私の主観ではありますが、「やった方がいい派」です。
やった方がいい派の伝える地鎮祭
地鎮祭をする理由
①伝統を大切にしたいから
②ご自身、またはご親族が信心深いため
③祭事ではなく催事。家族のイベントとして捉えて記念にするため
④近隣の方も見ているから
ここで私が触れておきたいのは、「やった方がいいの?」と疑問を持つ方に向けた③、④の理由。
③ 一生に一度になるかもしれない「地鎮祭」です。家族の集合写真・記念撮影として参加するのは、とても素敵な選択肢のひとつではないでしょうか。
④ 信心深さというのは目で見えなくても、深く強く大きな差があります。近隣の方から「あの家は地鎮祭をやってない」と言われないようにすることもまた、新しい家でスムーズに暮らすポイントかな?と考えています。
最後に
地鎮祭についてのお話いかがでしたでしょうか。普段日常ではまず関わることのない行事なので知らないことばかりかと思います。そして、そんな中ここ最近では「絶対やるべき派」もいれば「無駄だからやらない方がいい派」という意見もまたSNS上・インターネット上で飛び交っていて余計に混乱していることかと思います。
とはいえ結論として正しいのは「やらなきゃいけないものではない」ということだけは間違いありません。皆様ご家族自身が納得いく形で進めるのがよろしいかと思いますので、また何かお悩みお困り事があればいつでもお問合せ下さい。
それではみなさん おやすみなさい。
この記事を書いた人
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エッグ住まいる工房 取締役副社長/営業・広報担当
大手ハウスメーカー、中規模ビルダーの営業経験を経て、エッグ住まいる工房で「笑顔を作る住まいづくり」についてお客様に発信をし続けている。
パソコン・Web関係に強く、Instagramの公式アカウントでは毎週金曜日に失敗しない住宅計画についてライブ配信を行っている。
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