【窓・サッシの考え方】茨木市/注文住宅/自然素材/エッグ住まいる工房
みなさんこんばんは。
茨木市で自然素材の注文住宅を建てる工務店、エッグ住まいる工房の代表の長野です。
今回はお住まいの窓。私たち建築関係の人はサッシと呼ぶのでここではサッシで統一しましょう。そんなサッシについてお話させて頂きます。
プランの方向性が決まり各室の大きさや収納量、住宅設備のサイズ等の確認もすると外観とサッシの提案になります。とはいえプラニングの段階でも外観含めある程度のイメージはしており、それを具体的に決めていきます。
主にサッシの目的は採光・通風・換気・日射取得(冬に太陽熱と取込むこと)・外観のデザイン・借景等々。他に考慮しなければならないことがサッシの種類(引違い、縦すべり窓、横すべり窓、上げ下げ窓、FIX等)とサイズ・設置する位置と高さ・防犯対策・ガラスの種類(透明か型板か?遮熱型か熱取得型か?)・遮熱方法等々。
まずはプランとも大きく関わってくるのですがその敷地の特徴をとらえた部分。例えば山が見える、川が見える、公園の桜が見える等。そこは方角に関係なく積極的に大きめのサッシを提案します。家の中から四季や広がりを感じることができます。そこからは隣地のサッシの位置、高さと方位を考慮しながら昼間に照明器具に頼らず明るさが確保できるよう、また居室の場合は2面にサッシを配置し、通風できるよう提案していきます。通風するためには縦すべり窓が有効です。外壁に沿って流れていく風を受けて室内に入れる役割を果たします。また、吹き抜けがある場合は吹き抜けの天井高さで開口できるサッシを提案します。空気が低い位置から高い位置に移動する性質を利用した重力換気と呼ばれる換気方法で風のない時でも通風が可能となります。特に南面のサッシの大きさ、配置はパッシブデザインでは重要となり冬期の太陽熱を最大限取り込むことにより暖房費用を抑えることができます。その場合ガラスは熱取得型のガラスを使用します。但し、夏の日射の遮蔽は絶対です。庇をつける、軒の深くする、サッシの前に落葉樹を植える等。日射の遮蔽が出来ない場合はこの地域で一般的な遮熱型のlow-eガラスを使用しサッシは少し小さめに提案します。また、できるだけ南面の大きな窓やバルコニー、吹き抜けのサッシはカーテンなしにできるような提案も心掛けております。外構で目隠しを提案したりバルコニーの腰壁の高さを調整したりと。トータルでコーディネートすることも大切です。
色々な目的のあるサッシですが屋根・外壁・床・開口部(サッシ、玄関扉)等の建物廻りの部位の中で一番熱損失の多い部位になります。最近では樹脂サッシかつトリプルガラスと高性能なサッシも多くなりましたが外壁と比較すると同じ面積で倍以上の熱損失があります。つまり建物の性能はサッシ次第で大きく左右します。無駄に大きくしたり数を増やすことは有効ではありません。必要最小限に目的をもって設置することが重要です。
またサッシで注意しないといけないことは防犯。泥棒の侵入経路の一番はサッシです。狙われやすい場所は防犯対策も必要となります。防犯ガラスにすれば簡単ですがコストアップにも繋がります。防犯ガラス以外の対策として幅の狭い縦長のサッシや横長の高さのないサッシ。そもそもは入れないサッシを設置することにより防犯対策が出来ます。
このようにサッシにより視線のヌケを作ったり、奥行を感じさせたりと空間のデザインと建物の性能にも関係するためあらゆることの考慮し提案していきます。
プランがほぼ決まり、サッシが決まると詳細図面を作成し内部の扉や収納内部や造作の打合せになります。
次回は扉と造作の提案について説明していこうと思います。